「先生!…退職するって冗談でしょ?」

「あー。…その事か。退職するのは本当の事だ。俺から校長先生に言った。」

なんで?

「先生、この仕事好きなんでしょ?好きなのに…なんで辞めちゃうの?」

「この仕事は好きだし、続けていきたいって思ってる。」

「だったら!!…なんで辞めるの?」

私がこんな事言える立場の人間じゃないって事も、先生に指図したらいけないって事もわかってる。

でも、言わなかったらきっと後悔するから。

私はまだまだ子供だから、言ってしまわないと気がすまない。

「詳しくは、式で言うから…。お前も早く戻れ。」

先生に言われて、私はただ、戻るしかなかった。