「ごっごめんなさい!少し考え事をしてたの!
そっそれでね、突然だったからびっくりしてしまっただけなの!」
私は、早口でそれだけを言い切ると目線を下に移した。
すると上から大きな溜め息が聞こえた。
最近は、良く溜め息疲れることが多いなぁ~
雪さんもそうだったのかなぁ~?
私は、ぼんやりとその事を考えていた。
「で?何を考えていたんだ?また…………雪の事でも考えていたのか?」
「え?」
私は、驚いて慧ちゃんを見ると真剣な目をした慧ちゃんと目線をあった。
どうして分かるの?
前もそうだったから?
私は、私………雪さんじゃあ無い…………
でも、雪さんになりたい
こんなに慧ちゃんに思われてる雪さんに…………。
私は、いつも考えていた………。
考えても無駄な事も知っていた………。
だけど、それでも、人の気持ちはどうしてこうも上手くいかないのだろう。
少しずつ蘇る記憶……………どうして早く蘇ってくれないのだろうか………。
どうして、私の記憶だけが。
私は、慧ちゃんを見ていたその視線をまた地面に移した。
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