慧ちゃんは、私の言葉に目を見開いた。
「お前………思い出したのか?」
私は、苦笑いしながら頷いた。
「そうか………。」
慧ちゃんは、私の表情に気づかないのか凄く嬉しそうな顔をしていた。
やっぱり…………嬉しいんだね………
雪さんは、慧ちゃんの為に自分の長い髪で紐を作ってた………
私には、そんな事無理だもの………
ねぇ、慧ちゃん?雪さんはもういないのよ………………
私には、雪さんの記憶がある………。
桜が咲いてからどんどん思い出す事が出来る記憶…………。
私は、雪さんには、なれない………でも、私は確かに雪さんの生まれ変わりなの。
私は、元々慧ちゃんが大好き…………
そして、最近では、雪さんの気持ちが強くなってきたのか
前よりもっともっと慧ちゃんを好きになったの。
雪さんの記憶を思い出していく事にどんどん慧ちゃんへの気持ちは、強くなる。
でも、その気持ちはやはり雪さんの気持ちとは少し違うと思う。
だって、魂は同じでも人が違うんだから………。
でも、慧ちゃんはそうは、思っていないのかもしれない。
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