棗は、少し驚いた顔を見せると直ぐにニッコリと微笑んだ。
「大丈夫よ!門までは、一緒に行くんだから。」
「ありがとう!」
良かった~!棗が門まで来てくれるなら大丈夫よね!
本当にどうして今更恥ずかしくなるんだろう。
私は、そのまま匂い袋を持って棗と一緒に外に出た。
私の家の目の前の家。
でも、その家は、普通の家よりも大きいので少し圧倒してしまう。
私は、生唾を飲み込んで目の前の家に向き直った。
「雪奈?どうかしたの?」
「う、ううん!何でもないよ?」
私は、少し明るくつとめた。
不安なわけ無いじゃあない~!
ピンポーン
私は、少しドキドキしながら呼び鈴を押した。
「は~い!あら?雪奈ちゃんどうしたの?
雪奈ちゃんならそのまま入ってきてくれても良かったのに~
合い鍵だって、お互いに持ってるでしょう?」
おば様は、少し首を傾げながら微笑んだ。
その笑顔は、とても若々しかった。
相変わらず子供がいる親には、見えないのよねぇ~!
「そうなんですけど、流石にそれは、ちょっと。」
.