「とても、大好きだったわ…………私やあの方にも作ってくれたの
調合が楽しくて徹夜で作られたりした日もあって、凄く心配でたまらなかった時もあったの…………
そして、その香を衣につけたりして楽しんでいたわ
微かに香るその香にとても私も落ち着けたわ………。」



棗は、少し悲しそうに………そして記憶を楽しむかのようにポツリポツリと話した。



やっぱり………雪さんがしていたことなのね………
とても、懐かしくて何かを思いだしているかのようだった。



私は、最近雪さんがしていたことをしている事が多くなっていた。



「だったら、同じ匂い袋があるの!生地は、違うけど貰ってくれる?」



何だか凄く棗に匂い袋をあげたくなったのだ。



きっと喜んでくれるよね…………?



あの時みたいに………。



あれ?あの時っていつなの?



私は、いつ棗に匂い袋を渡したの?



『ありがとうございます!雪姫様!』



この声は、棗?でも、少し違う…………棗の前世?



最近では、その人の輪郭がはっきりしていていた。



この子が棗………?