そう言えば明日会えるはず…………私から慧ちゃんを奪うと言っていたから。



「あの女の子は、明日にも現れるわ…………慧ちゃんのそばに…………
あの女の子は、私達の前世に関係があるはず……………。」



私がそこまで言うと棗が優しく私の手を包み込んだ。


「他に何か言われたの?…………そんなに泣きたいほど…………。」



「え?」



私は、空いている右手でそっと自分の頬を触った。



私………いつの間にか泣いていたの?



気づかなかったなんて……………。



私の目からは、止めどなく涙が伝う。



その暖かな涙が手に沢山流れる。



これは、私の気持ち?…………それとも、雪さんの気持ち?



分からない!今の私には、どちらか分からない!



私は、慧ちゃんを愛してる…………そして、雪さんも慧ちゃんの前世をずっと愛してる………。



この気持ちは、誰にも負けない…………負けたくないの…………
雪さんがそうであったように…………。



「雪奈?大丈夫?!」



その声に気づき顔を上げると棗が辛そうな顔をして、私の顔を覗き込んでいた。