慧ちゃんの前世は、私の前世の雪さんの愛しているんじゃあ無いの?
どうして棗にそんなに優しく接するの?
棗の前世の人にも、そんな風に頭を撫でていたの?
その時雪さんは、どんな気持ちだったんだろう?
私は、ただ呆然と二人を見ている事しか出来なかった。
「雪奈?少し話があるんだけど………。」
いつの間にか棗が私の目の前に立っていた。
「う、うん!」
私は、慌てて頷いた。
私ってば何思ってるの?!
ほんと………馬鹿みたい…………。
「それで、話は雪奈と二人でしたいの…………
だから…………ね?」
棗は、慧ちゃんに申し訳なさそうに言った。
私と二人での話?慧ちゃんには内緒の…………?
一体なんの?
私は、首を傾げながら二人を見ていた。
「良く分からないが仕方無い………
俺、もう帰るわ………
何かあったら連絡しろよ?それと棗は、早く帰れよ?」
慧ちゃんは、それだけ言うと出て行った。
慧ちゃん、今日は何だか簡単に引き下がったなぁ~。
私は、慧ちゃんが出て行った扉をただ呆然と見つめた。
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