「何気にしてるかは知らないが、安心しろ
俺も一緒に行く。」



そう言って私の手を掴んだ。



ドキン



手を握り締められて、胸が高鳴った。



「ありがとう!」



凄く嬉しい!



慧ちゃんがこんな事言ってくれるなんて………………。



不安だった心が段々静まって言った。



慧ちゃんとなら大丈夫なんだよね…………?



「ほら!何してるんだ?行くぞ!」



「うん!」



そう言って慧ちゃんは、私の手を引いた。



でも、此処まで心配する事なんて無かったんだ…………。



私が、覗き穴から見たその人は、私の良く知っている人だったから。



私は、その顔を見ると慌ててドアを開けた。



「棗!どうしたの?!」



棗は、少し泣きそうな顔で立っていた。



「良かった………!雪奈………何とも無い?」



私の顔を見ると棗は、心底安心したと言う顔をした。


「え?」



それって、どう言う意味なの?
棗は、何かを知っているの?



「棗………?」



私が、棗に理由を聞うとした時、後ろからひょっこりと慧ちゃんが顔を出した。