私だけじゃあ無かったの…………?



何だか、その事が凄く嬉しかった。



「私…………絶対、記憶思い出すね?
そしたら、慧ちゃんとも棗とも昔の話が出来るもの…………
それに、たまに棗が寂しそうな顔してる
私………もうそんな顔して欲しくないもの…………。」



「あぁ………そうだな………。」



慧ちゃんは、先程よりも強く私を抱き締めた。



何だか凄く心地良い……………でも、夢に出て来たあの女の子誰なんだろう?



ピンポーン



突然呼び鈴を鳴らす音が聞こえた。



誰が来たの?



まさか、夢の女の子じゃあ無いよね………?



私は、そのまま動けずにいた。



「雪奈?出なくて良いのか?」



慧ちゃんが私の耳元で囁いた。



「う、うん!出るね。」



私が、そう言うと慧ちゃんがそっと私を離した。



何だか少し寂しいなぁ~。


私は、少し名残惜しかった。



「それじゃあ、行ってくるね!」



私が、部屋から出て行こうとした。



「雪奈………!」



「え?」



私が、振り返ると慧ちゃんがニッコリ微笑んだ。