ドキ



慧ちゃん私の事…………心配してくれたんだ……………
でも、やっぱり慧ちゃんは、雪さんを愛しているんだね………私が届かないくらいに。



私は、胸が締め付けられる思いがした。



すると、慧ちゃんが優しく私の頭を撫でた。



何だか懐かしい…………ずっと昔私を撫でてくれた暖かな手………。



ねぇ?雪さん?あなたもそうだよね?



私が、感じてるんだもの…………。



これは、雪さんの記憶…………今、私の目の前にいる慧ちゃんは、背の高い長髪のあの人に………
見える……………顔は、光が差しているようで良く見えなかった。



でも、その彼が、慧ちゃんの前世だと分かる……………お互いに惹かれあっていた二人だから………
私には、分かるんだ……………。



「慧ちゃんの前世の人…………とても、暖かくて優しい人ね…………。」



私は、ニッコリと微笑んだ。



それは、彼に会えたからかも知れない。



「お前…………何か思い出したのか?」



私は、一つ頷いた。



「最近は、彼の面影を良く見るの…………それが、凄く私には、嬉しいの……………。」