私は、ゴクンと唾を飲み込んだ。







私は、ボタンを押すと恐る恐る携帯を耳に当てた。



「も、もしもし?」



「………………。」



向こうからは、何の声も聞こえない。



慧ちゃんじゃあ無いの…………?



私は、少し不安になった。


「慧…………ちゃん?」



私は、恐る恐るその電話の主であろう彼の名前を呟いた。



「どうして電話に出なかった………?!」



慧ちゃんの声は、凄く大きくてその声から、とても怒っているのが分かる。



「寝てしまっていたの……………ついさっき起きたばっかりで……………だからね…………あの………。」


私は、自分でもどもっている事が分かり恥ずかしくなる。



「明かりをつけたままでか?」



「う………うん………。」


そう言えば部屋は、12時を過ぎているのに明るく灯されている。



両親は、当分仕事で帰る事は無いので私がつけたままにしていたのだろう。



すると、慧ちゃんは凄く大きな溜め息を吐いた。



「一人で帰るわ、電話は出ないわ、メールは返って来ないわ…………避けられてるのかと思ったぞ………。」