その顔は、少し悲しそうででも、喜んでいるみたいだった。



やっぱり私は、雪さんには勝てない…………でも、話すって決めたんだから。



私は、もう一度慧ちゃんに向き直った。



今度は、さっきよりもしっかりと………。



「私の夢には、いつも雪さんが出てきます。
大きな一本の桜の下に一人黒髪の十二単の女の子が立っているの……………
それで、その女の子は青い瞳で私を見つめるの…………
思い出して…………早く思い出して…………記憶を………私と貴女は一緒だからと……………
私の記憶を思い出してと…………そして、ずっと誰かを待っているんです
この今生の世が過ぎようとも…………私は、いつまでもずっと貴方を待っていると……………
小さい時は、とても薄かったんですが…………最近は、とても鮮明で声もはっきりしてるんです。私とそっくりな女の子何です……………その人は、自分を雪だと言っていたんです。」



慧ちゃんは、目を見開いたまま私を凝視していた。



でも、やっぱり命が危なくなる事は、言わないでおこう。



私は、ギュッとシーツを握り締めた。