「雪奈!どうしたんだ?!」



慧ちゃんは、心配そうに私の涙を指で拭ってくれた。


ギュッ!



いつの間にか、私の慧ちゃんの胸に自分の頭を押し当てていた。



「ずっと待っていました……………あの時からずっと貴方だけを待っていました
あの桜の下でいつまでもずっと…………………先立ってしまった事ごめんなさい
悲しい思いをさせてしまいました。」



私は、何を言っているの?口が勝手に動く

頭の中に誰かがいるみたいに……………。



慧ちゃんが懐かしくて堪らなく嬉しい……………………何時までもこうしていたいと思うほどに。



ずると慧ちゃんが私を優しく抱きしめてくれた。



トクンと小さく脈打つのが分かった。



「もしかして、お前は雪………………なのか?」



雪………………そうかこの子は雪って言うのか……………だったら私はその雪の生まれ変わりなの?



私は、慧ちゃんの問いに黙って頷いた。



慧ちゃんは、震えながら私を更に強く抱きしめていた。



慧ちゃんの匂いが仄かに香る落ち着ける場所。



慧ちゃんは、雪に凄く会いたかったのね。