「…………………雪……………。」
私は、ポツリと呟いた。
「「「え?」」」
三人は、びっくりして私を見た。
「どうして知っているんだ?」
慧ちゃんが怪訝そうに私を見た。
棗も驚いて私を見つめている。
本当に雪って名前だったんだ。
「分からないの…………………ただ頭にその名前が浮かんだの……………。」
「そうか………………。」
そう言って寂しそうに俯いてしまった。
私……………余計なこと言ってしまったのかも知れない………………でも、どうして慧ちゃん悲しそうなの?
「何だ~!俺てっきり雪奈ちゃんが名前当てたがら少しでもその子の記憶があるのかと思ったよ。」
記憶………………?あの夢は、誰かの記憶…………?
サァ~!
その時沢山の桜の花びらが私達を包んだ。
『この今生が過ぎようとも……………私は、貴方を待っています。』
これは………………私の記憶なの?
「貴方をずっと待っています………………。」
私は、小さく呟いた。
私の目からは止めどなく涙が溢れてきていた。
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