「うん、知っているわだってあの女の人は私にとっても大切な親友で……………………

幸せになって欲しいと心から願っている人なの………………だからそのためにも
私は、慧佑君の応戦をするわ!あの人の幸せは、慧佑君とずっと一緒に居ることだから。



棗は、本当に嬉しそうに……………でも、少し寂しそうに微笑んだ。



そんな人がいたんだ…………………私は、慧ちゃんの事を諦めなければいけないのかも知れないわね。



そう思うと、すっと夢の少女の姿が脳裏を掠めた。



桜の木の下で寂しそうに佇み私を見つめてくる、あの青く綺麗で瞳で……………………。



「そう言えば、雪奈ちゃんは、その女の子の事知ってる?」



私は、いきなり話しかけられた事もあって何度も首を横に振った。



知ってるはずがない!私は、そう思っていた。



「じゃあ、その子何て名前だったんだよ!」



私は、この言葉に一気に慧ちゃんを見つめた。



こんなに見つめたら私の気持ちがバレるかも知れない!でも、気になってしまうのもまた事実だった。



「秘密だよ。」



でも、慧ちゃんは、ニッコリ微笑んでそう言っただけだった。