もしかしたら、あの少女の事を二人は、知っているのかも知れない。
二人には、私の知らない何かがある……………………それが堪らなく悲しかった。
「そう言えば、みんな好きな人とかいたりするのか?」
突然、香坂君がそんな事を言い出した。
そう言えば、香坂君って棗が好きなのよねぇ?それを調べる為かしら。
私はただその話を呆然と聞くだけだった。
「で?慧佑はいるのか?好きな人。」
ドキ
夢と記憶の事を考えていた私は、この言葉で現実に戻された。
慧ちゃんの顔を見ると何だか凄く辛そうで何とも言えない顔をしていた。
「あぁ……………いるよ、凄く愛しくて、愛している人が………………言葉だけでは言えない位大切なんだ。」
一体誰?慧ちゃんは、辛そうで悲しそうで、私が入れない位その人の事を思っている。
何だか凄く悲しい………………慧ちゃんに思われているその女の子が羨ましい。
「棗ちゃんは、慧佑の好きな人知ってたりするの?」
その言葉を聞いて一瞬驚いた顔をしたが直ぐに俯いてしまった。
そして、この時もっと思い知らされる事になる。
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