私は、必死で首を横に振る。
「だったらお前が寝付くまで俺がそばにいて手を握っててやる、そしたら寝れるか?」
そう言って慧ちゃんは、私の頭を優しく撫でてくれた。
昔もこんな事があった気がする………………何だかとても懐かしい。
「本当に、寝るまでそばに居てくれる?」
「あぁ…………。」
力強く頷いてくれる慧ちゃんにとても安心できた。
「保健の先生、出張みたいだな……………。」
私をベッドに寝かせながらそっと囁いた。
「慧ちゃんがいれば、きっと眠れるわ。」
私は、そう言ってそっと目を閉じた。
眠たくないと思っていたのに案外簡単に眠る事が出来た。
眠る前に何かを囁かれたようだったがもう私の耳には届かなかった。
目の前にはいつものように桜の花が舞っている。
『貴方をずっと待っています……………この今生が過ぎようともいつまでも……………ずっと……………………様…………。』
これは、私?……………………でも、誰に?貴女は、誰を待っているの?
『雪………………。』
頭の中にもう一つの声が響いた……………ただ一言…………雪…………と。
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