サァ~!



これは…………夢?



目の前に桜の花びらが待っている。



『貴方は………………貴方のままでいて

そして……………今度こそ一緒に……………様…………。』



ドクン



その言葉は、私の胸を打つ何かがあった。



待って!貴女は誰?!

貴女は、私に何を伝えたいの?



「雪奈!」



ハッ!



私が驚いて飛び起きると心配そうに棗が私の顔を覗いていた。



「どうしたの?雪奈が授業中寝るなんて………………
それに顔が青いわ!保健室に行った方が!」



私は、その言葉に首を横に振った。



もし、保健室で寝ればさっきの夢をまた見ることが出来る

だけど、怖い!

毎日のように見る夢…………………。



自分にそっくりの少女…………………。



考えるだけで悲しくて辛くなる、思い出さなければならない何かを日々感じてしまう。



そして、桜を見る度に微かに浮かぶ誰かの記憶と暖かい手の温もり。



もし、もう一度眠ればきっと………………何かを思い出せるかも知れない。



でも、自分が自分では、無くなる気がして怖い。