まあ、無料だしもらっとくか。

「どうも・・」

「いえいえ。ライブ楽しんでくださいね~!」

それだけ言うと、男は他の客の相手をしはじめた。

「なんだったんだろ・・」

「まあ、ラッキーじゃない?本当に限定物かもしれないしさ♪」

莉子はお気楽だ。
疑問に思いながらも、
時間がたつにつれてそんなモヤモヤも消えて行った。
なんてったって
翔人くんに会えるまでの時間が
だんだんと減っていくんだから!

コンサートの前ほど、時間がたつのが遅く感じることはない。

終わってしまえば、
時間がたつのが早いと感じるんだけど・・・。