この苦しみから誰か助けてよ・・・。


美姫side

あのメールを打ってから二週間後
私はその間、お母さんからずっと暴力を受けていた
(もう流石にたえられない・・・)
そう思い始めた頃・・・。
またいつもの暴力が終わり、二階にいると下からお母さんに呼ばれた
真美「美姫~?メンバーの皆さんと和君達が、心配してくださってお見舞いに来てくださったわよ。大丈夫なら降りてきなさい。」
「わかった。今行く。」
私はそう言うと、下に降りて行き、お母さんの横を通り過ぎる時に低い声で
真美「演じなさいよ」
と言われた
私は黙って頷くと、みんながいるリビングに入って行った
「お待たせ。みんな、どうしたの?」
友美「真希さんから事情は聞いたよ。大丈夫?」
「うん。大分良くなった」
流歌「そう・・・。良かった」
「心配してくれたんだね。ありがとう。でも、明日からは出れるよ^^」
智「本当!?」
「うん。真希さんにも言っておく。」
和「わかった。じゃあ俺ら帰るね。」
「うん、みんな車?」
翔「あぁ。俺の車。」
「じゃあ玄関まで送るよ。」
雅紀「いいよ。美姫、病み上がりでしょ?」
「いいの。」
私はそう言うと、立ち上がった
潤達も渋々立ち上がった
玄関を出て、外に行くと翔の車が止まっていた
真衣と和以外はそれに乗り込んだ
「じゃあまた明日ね。」
潤「あぁ。じゃあな。」
潤がそう言うと車が動き出した
私は車が見えなくなるまで手を降っていた
真衣「じゃあ私達も帰るね。」
「うん、また明日。」
和「じゃあな。」
「バイバイ。」
私がそう言うと真衣は右隣の家に。
和は左隣の家に入って行った
私も急いで家に入って真希さんにメールを送り、お風呂に入って眠った

美姫side

次の日
私は朝早くに起きて、メモと一万円を残し、仕事に向かった
仕事場につくとみんなが笑顔で迎えてくれた
この時私は
(あぁ・・・帰って来て良かった・・・。)
と思った
束の間の喜びが終わり、仕事に入った
今日の収録は秘密の嵐ちゃんだけだった
私は収録が終わると重い足を引きずりながら、家に帰った
家につくと
---------
これしかないので許して下さい
---------
と言うメモと一万円を玄関に置いて、自分の部屋に戻った
部屋のドアを開けるとそこには部屋全体に赤いペンキで
『死ね』
『芸能界に必要ない』
などの言葉が書かれていた
私はフラフラしながら机に近づくと
真美「『死にたきゃ死にな。ま、意気地なしのアンタにはできないだろうけど』」
と言うメモと果物ナイフが置いてあった
私はそのナイフを手に取りると、自分の心臓の部分にあてた
そう・・・
私は今、自殺しようとしているのだ
私は覚悟を決め、
ギュッ
と目を瞑るとナイフを振りかざした
と同時に
?「待った!!!!!!」
と言う、声が聞こえた
私は恐る恐る目を開けるとそこには和がいた
「な・・・んで・・・」
和「俺、昨日美姫の様子が変だったから、様子を見に来たんだ」
「何で・・・来たの・・・?」
和「美姫が心配だから」
「何で・・・なんでそんな事言うの!?私、これから死ぬんだよ!?生きてるのにもう、疲れたのよ!!!!!毎日毎日暴力振るわれてもうたくさんなの!!!!・・・私が死んだって誰も悲しんでくれないんだよ・・・」
和「馬鹿だろ。アンタ。」
「ハァ!?アンタに殴られる痛さが分かる!?信じていた人に裏切られる気持ちがわかる!?」
和「わかんないよ」
「じゃあ口出ししないでよ!!!!!」
和「口出しするよ」
「何でよ!!!!!」
和「俺は、美姫に死んでもらっちゃ困るから」
「何言って・・・」
和「確かに俺は、美姫が暴力振るわれてる何て知らなかったよ?でももう少し俺達を頼れよ!!!!!」
「和・・・」
カツン
私はそう言うと持っていたナイフを落とした
和は私に近づくとそっと抱きしめてくれた
和「何があったの?ゆっくりでいいから話して?」
私はそう言うと和の胸の中で頷くと、ゆっくりと今までにあったことを話した
和はその言葉一つ一つに頷きながら聞いてくれた
和side

美姫は今までにあったことを全て話す泣きながら話していたため、泣き疲れて眠ってしまった
美姫が眠ったと同時に美姫の妹の美香が帰って来た
俺は二階から美香の名前を呼ぶと、美香はよほど美香のことが心配なのか、飛んできた
俺は美香に事情を話して、美姫を美香ちゃんの部屋に寝かしてもらい、リーダー達と真衣達を呼んだ
真衣達とリーダー達はすぐに来た
しばらくすると
真美「ただいま」
二人の母親が帰ってきた
母親は靴の多さに驚いたのか、二階に来ると
真美「あら、和君達。いらっしゃい。」
と言って、いい母親を演じていた
俺はそれにムカッときて
和「演じるんじゃないよ」
と言った
真美「何のことかしら?」
「アンタ、美姫に暴力を振るってただろ?」
真美「証拠は!?」
「このメモだ。」
俺はそう言うと、玄関に入った時に置いてあったメモを見せた
「この字は美姫の字だよな?暴力を振るい、飯も作らず、挙句の果てには娘のお金まで取り上げる。ふざけんなよ。アンタがやっている事は犯罪なんだよ!!!!!」
真美「・・・だから何?ストレスが溜まったから、暴力を振るっただけ。悪い?」
(ダメだ。コイツには罪の意識がない)
そう思った俺は、携帯電話を取り出し、警察に電話した
真美「・・・何する気・・・?」
「貴方の事を警察に突き出します」
真美「『警察』?何故?」
「かつあげと暴力の罪です。」
真美「そうはさせないわ!!!」
二人の母親は近くに落ちていたナイフを持ち、俺に向かって走ってきた
俺は恐怖で目を瞑った
すると目を瞑ってすぐに美姫の
美姫「ダメェ!!!」
と言う、声を聞くと同時に俺の耳にグザッと言う、鈍い音が聞こえた
俺は目を開けると目の前には、腹部にナイフが刺さって血を流している、美姫がいた
俺達「美姫!!!」
美香「姉ちゃん!!!」
美姫「か・・・ず・・・」
美姫はそう言うと、その場に座り込もうとしたが、俺がそれを支えた
「美姫・・・。美姫・・・」
美姫「か・・・ず・・・。どこも・・・怪我・・・してない・・・?」
「うん。大丈夫、大丈夫だよ。」
美姫「よかっ・・・」
美姫はそう言うと目を閉じてしまった
「美姫!?美姫!!!翔さん、救急車!!!」
翔「わ、わかった」
翔さんはそう言うと、携帯を取り出し救急車と警察を呼んだ
しばらくすると救急車も警察もきた
二人の母親は抵抗しながらもパトカーに乗せられ、そのまま警察署に向かった
美姫は救急車に乗せられ、俺と美香が同伴して病院に運ばれた
病院につくと美姫は出血が多く、大変危ない状況ですぐに手術が行われた
十分後
リーダー達が事情聴取を終えて病院に来たと同時に、手術が終わった
手術は成功だった
とりあえず俺達はホッとし、病院を後にした

美香side

その次の日
病院に行くと、姉ちゃんは目を覚ましていた
その数カ月後
姉ちゃんは傷が無事完治し、退院した
姉ちゃんの事を刺したアイツは、裁判で終身刑が下された
あれだけ姉ちゃんの事を傷つけたんだから、当たり前か・・・
そして、今日は姉ちゃんの仕事復帰の日
アイツに暴力を振るわれるようになってから姉ちゃん、死んだような目してた
それが今は、ちゃんと光がある
その光を取り戻してくれたのは悔しいけど、和なんだよな・・・。
私も茶髪を辞めて、受験に向けて黒髪に戻した
髪が痛みまくりだけどね。
これから私達には色々な試練が襲いかかってくるだろう
でも、私は姉ちゃんと二人ならどんな困難にも乗り越えていけると思っている。
いや、乗り越えていけるだろう
限りない幸せがあるかぎり・・・。

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