「テストで満点を見たときにはもう確信に近かったです
でもきっと心の中で信じたくなかったんだと思います
騙されてるからっていうのが理由ではなくですけど」
雄雅の表情が悲しそうに見える
「じゃあどうして?」
「指輪ですよ」
「え?」
「違う指輪をしている嵐さんを見たとき
俺はその指輪をあげた人を越えることができないって思ったんです
嵐さんには帰るべき場所がある
そうじゃなかったらずっと俺のそばに置いておけるのにって
だから信じたくなかった
でも実際俺は一度も桜江波夏を守れなかった
黒豹に連れて行かれた時も撃たれた時も
そばにいたのは秦さんでした
顔の傷に気遣ったのも秦さん
寝ないでそばにいたのも秦さん
あなたには帰るべき場所です
それでも一つわがまま聞いてもらえませんか?」
「何?」