「あたし自身も雄雅が黒崎に捕まるまで
何のために紅花に送り込まれたのか分からなかった
でも今は本当に感謝してる
騙してたことは悪かったと思ってる
でもありがとう」
「いえ
ちょっと二人で話せませんか?」
「もちろん
ちょっと待ってろ」
秦と千秋に言って雄雅と二人で学校の屋上に向かった
「これ」
雄雅が差し出したのはなくしたはずの指輪だった
「やっぱり落としてたんだ
ありがとう」
指輪を受け取る
「お礼を言うのは俺の方ですよ」
「え?」
「廉さんに聞きました
俺を夢紅に入れてやってくれって前の総長に頭下げてくれたって」
「雄雅もそうだったのか」
小学生の時からあたしのその行動は当たり前で
誰をどこに入れてやったのかなんて覚えていない
「嵐さんにとったらいつも通りの行動にすぎないのかもしれない
でもあの時の俺が変われたのは
まぎれもなく嵐さんのおかげです」
「いつから気づいてた?」