ブーブーブー


再び鳴る携帯


あたしは相手を見て凍りついた

『着信:瑞也』


あたしはゆっくりと通話ボタンを押す

「な・・おや・・」


『波夏久しぶり


これから紅花に行くんだけどもう逃げた?』


「どういう・・・意味だ?」


『しらばっくれても無駄


お前が紅花に送り込まれてることくらいわかってんだから』


「あたしが逃げるとわかっててなぜ紅花に行くんだよ」


『・・・そろそろ出来始めただろ?


お前の新しい居場所

それを壊しにかな

心配すんなまだつぶさねぇから

今日は偵察だ』


“絶対にゆるさねぇ”


1年前瑞也に言われた言葉を思い出す


『やられたらやり返せ


これが白龍のルールだ…』






通話終了の音が耳に響く




瑞也は・・・


あたしのせいで変わってしまった


あたしの



せいで・・・