「あっつー」
隣にいた結がタオルで自分をあおいぎながら言った

4月の上旬。
少しずつ気温も上がり始め走りこみをしていた私達には暑いくらいだ。

今年中2になる私坂澤夏美と武藤結は幼稚園からの付き合いで中学に入ると同じ陸上部に入部した。

部員は少なく男女あわせても8人。

3年生の男子なんて0人だ。

そんな陸上部にある日転校生が来た。

顧問の遠野先生に呼ばれ皆が集合した。
先生の隣には初めて見る男子が立っていた。
身長は160㎝あるかないかくらいの低めで無口な感じだ。

「佐山有。今年中3だ。主に長距離がメインだそうだ。」
先生が言うと
「よろしくお願いします」
聞き取るのがやっとの小さい声だったけど少し方言のまじった優しい声...

「うそぉ~同い年かと思った」
結が小声で呟いた


私はなんとなくその先輩から目が離せなかった

特別かっこいいとかそういうんじゃなくて...

私の中のなにかが

動き出した_____