……違うんだよ。翔哉が頼りない訳が
ない。翔哉にはいつも救われて
ばかりで。私は……

「私はね、翔哉。翔哉に……」

ーーーーーーー迷惑をかけたくなくて。
そう言おうとした時、翔哉にキスで
口を塞がれた。

「んっ。」

「お前さぁ、俺に迷惑がかかるとか
思ってんだろ?」

う……図星。
いつもながら、翔哉は鋭い。

「その顔…図星だな。
迷惑な訳ねぇだろ。つーか、
そーゆー事を独りで抱え込んで、
そんで暗い顔して、落ち込んでる
方が、よっぽど迷惑だ。」

………………翔哉はいつもそうだよね。
私の不安を優しく溶かしてくれる。
私の瞳からは、また涙が出てくる。
そんな私を見て、翔哉は涙を拭ってくれた。

「だから、前から言ってるように、
独りで抱え込むな。
まず、俺様に言え。お前のなら、
どんな重い荷物でも、不安でも、
俺が半分持ってやるから。」

そう言ってまた唇を重ねようとする。
次の瞬間……………

~♪~♪~♪~♪

私の携帯が鳴り響く。
私の好きなグループの音楽。
何かと思い開くと黯梛からだった。

『お目覚めはいかが?
このあと、指令をだすわ。
昨日の約束、覚えているわね?』

…………こういうのを脅迫と言うのか。
  納得。

昨日の約束とは、きっと翔哉のことだろう。

「なんだって?」

「そろそろ13:00。ミッションを出す。
心の準備を整えておけ。
ちなみに、学園の生徒には、
先生が出張のため、あと5日間は休みと
言ってある。安心して、私達と
楽しみましょう。…………だって。」

「普段なら大歓迎なんだがなぁ。」

「なんで?」

「お前とベタベタしてられるし。」

翔哉は笑っていたが、瞳の奥に、
すこし、不安の色が見えた。