政府は本気で福島原発事故で放射性物質で汚染された土地をどうにかしようという気があるのか?
 最終処分場はおろか、福島県双葉郡に建設するという「中間貯蔵施設」の場所すら全く決まっていない。

 それ以前に、意思の表明だけでもいいからやっておかないと日本中の優秀な科学者、技術者に無駄な努力をさせる事になってしまう。
 それは、がれきや汚染土壌からの放射性元素の分離、濃縮を可能にする技術を使う気があるのかどうか?ということである。

 今回の放射能汚染の一番厄介な点は、放射性物質が肉眼では見えない程細かい微粒子になって薄く広く拡散して土壌などにしみ込んでいる点だ。
 原発周辺および飯舘村まで伸びた北西方向の高レベル汚染地域はもちろん、避難するほどではないとされている中通り北部などの低、中レベル汚染地域では、これがはっきりしないと除染の計画さえ立てられない。

 チェルノブイリでも使われたゼオライト、プルシアンブルーなどを他の科学薬品などと組み合わせて、セシウムを分離する技術はすでに五指にあまるほどの方法が実験室レベルでは開発されている。

 だが、政府内部では環境省や経済産業省の政務官クラスの若手は比較的熱心にそういう分離、濃縮技術に着目しているが、副大臣クラスだと関心が薄い。大臣だと完全に無関心にしか見えない。
 まあ、マスコミが報じないから、というせいもあるのかもしれないが。