体育祭が終わってから、数日間。 千鶴は学校に来なかった。 〈おかけになった電話は現在電波の届かないところにあるか、電源が――〉 この機械的な台詞を聞くのは何度目だろう。 わたしは携帯を耳から離して、息を吐く。 メールも返信ないし。 なんなんだよ、もう。 心配になっちゃうじゃないか。 「今日もお休みなんだねえ、宝田さん」 ユカがわたしの顔を覗き込んだ。 「やっぱり電話でないの?」 「うん。まあ、わたしウザがられてるから」 肩を竦めてみせると、ユカは苦笑する。 「教育係も大変だねえ」