「ん…ぁ…」


一人、孤独に目を覚ます。


朝、暖かい日差しがカーテン越しにまで感じられた。


「煜(ヒカル)ちゃん、点滴の時間です。」

周りに誰もいない完全個室に閉じ込められた私の魂と身体。

きっと、ここから抜け出すことなんて出来ない。

自己嫌悪や被害妄想が進み、自殺行為をしたことまでもある。




…運悪く、仁科(ニシナ)先生が部屋に入ってきたから、死ねなかったけど。




何て、その日からたった5日しかたっていないはずの私がーーーー


もう、死にたくないって思える。

名前も知らない男の子。


と、3つくらいしたの女の子に、お母さん、お父さん達。



その姿をみて、羨ましくて、憎くて、辛くなった。妹が、病気なんだろう。

ただの、家族ごっこ。


「……!またくるから!ちゃんと元気でいろよ!!」

「…………んも、元気でね!待ってる!」


どんなに苦しい状況でも、堕ちていかない家族をみた。

兄妹をみた。



何時の間にか、その男の子を毎日追うようになっていくようになる。

死にたくないって思えたし、ちゃんと会ってみたいなぁって。


「…煜ちゃーん」

「はい。」



希望を与えてくれた、彼が私の運命を変えました。