「っ!!!」
ゴンッという音と同時に左頬に鋭い痛みが走る。
声にならない声をあげたあたしに樹里が駆け寄ってくる。
「・・・ってぇ」
「桜さん大丈夫ッスか!?」
大丈夫じゃねぇよ、いてぇよ。
こいつ・・すっげぇ拳持ってんな。
ふらつきながら頬を擦る。
これ冷やさないとヤバイな(笑)
「てめぇ、いてぇよ(笑)」
「すいやせんっ」
「いや、いい。あたしが頼んだからな。にしてもいいパンチだな。智也強ぇな」
さっきのはすごいいいパンチだった。
腕を出す早さ、腕のひねりかた、最後の最後まで押す感じ、全てきまっていた。