「ねぇ、あなた大丈夫?」







――……様、大丈夫ですか?


「……う、ん」

「お客様、大丈夫ですか?」


肩を揺すられ私は重い瞼を開ける。

蛍光灯の白い光が目に痛い。


「お客様、大丈夫ですか?終点ですよ」

「……終点?」

「実南雲駅、終点です」


実南雲……終点。――あ!

「はい、すみません!すぐ降ります」

止まっていた思考を一気にフル回転させ、私は急いで電車を降りた。