「……やば、電池切れる」

時間を確認するため取り出した携帯電話。

暗い夜道には眩しいディスプレイだ。

その左上に表示されている電池マーク。

そこに20%と残りの電力が写しだされていた。



……まぁ、使えなくなっても、いまの私に連絡出来る奴なんていないんだから、別に困らないか。



自分で考えて行動して、いまここにいる。

全部、自分自身で決めた事なのにもやもやした。

あるだけ詰め込んだ財布を思い浮かべ、いまならまだ帰れるよ、と囁く私がいる。


ネガティブになっちゃダメだ。


私は振り切る様に頭を左右にふった。