キーンコーンカーンコーン
私が帰ろうとすると…
「きゃあーーーー!!」
違うクラスから来ている女の子達が騒いでいる。
その視線の先にあるのは…
(龍雅君と…誰だっけ…?)
「花怜~?どうしたの?」
「ん~とね、あの人誰だっけ?」
「あ~あれはね、五十嵐隼人(いがらしはやと)君!」
「いが…らしはやと…?」
「うんっ!!かっこいいよね~」
「…」
「あの2人は学校のアイドルだよ!って花怜知らないの!?」
「うん…興味ないし。」
「…そっか…。帰ろっか!」
「うんっ!!」
「おい。」
ついさっきまで女の子に囲まれていた龍雅君が目の前にいる。
「ぅわっ!!」
「なんだその反応わ。」
「ちょっとびっくりしただけだよ…。」
「花怜になんかよう?」
「ちょっとね。こいつ借りていくわ。」
そう言って龍雅君は私の手を握った…
「やだ…やだょ…やめて…お兄ちゃん…苦しいよ…お兄ちゃん…」
「お兄ちゃん!?まっててね!!すぐ呼んでくるから!!」
「くっ苦し…」
「花怜!!!!!!」
「おに…ちゃ…」
「ゆっくり息をしろっ!大丈夫だ!俺がいるからな。」
私が落ち着いてくるとお兄ちゃんはびっくりしている龍雅君を呼び出した。
「おい。妹に何をした。」
その声は今まで聞いたことのないとっても低い声で全身から怒りのオーラを出している。
「俺はこいつの手を握っただけだ。」
「握っただけ?てめぇなめてんのか?お前は花怜の何をしってんだよっ!!!!!」
「…」
「だまってんぢゃねーよ!!!!こいつわな!!こいつわ…」
「なんだよ。」
「てめぇには関係ねぇ。とにかく花怜に近づくな。」
「んだよ。俺なんにもしてねーぢゃねえか。」
「したんだよ!」
「お兄ちゃん!もういいから。」
「ほんとにいいのか?」
「うんっ」
「ぢゃあ帰るぞ。」
「龍雅君!今日はごめんね。」
「いや、俺のほうが悪かった。」
「そんなことないよ。また明日ね。」
「おう。」
(今日は龍雅君に失礼なことしちゃったな…)
「お兄ちゃん!那夏!」
「ん?」 「なに?」
「あたしね、明日龍雅君に話そうと思う。迷惑かけちゃったし…」
「でも大丈夫なの?」
「えっ…」
「手握られただけであの時のこと思いだしたんでしょ?」
「那夏の言うとおりだ、やめとけ。」
「でっでもね…今日龍雅君が笑ってくれたときなんか安心したの…だから大丈夫だっと思う…」
「そっか…」
「なんかあったら絶対俺を呼べよ。」
「うんっ!!」
「2人ともありがとっ!!」
「おう。」 「うん。」