「怜くんと付き合ってたころも、ずっと不満が溜まってたの。怜ちゃん怜ちゃんって。アタシの事なんて眼中にないみたいで...」

「そんなことな「奈那姉はしょうがないって思ってた。今は忙しいだろうから。」

美那に言葉を遮られた。
一言一言に重みがある、美那の言葉には今までのことがたくさん詰まっているようだった。

「だけど、姉ちゃんとは一つしか歳が違わない。なのに、どうしてこんなにも差があるのか不思議で不思議で。」

アタシは黙って聞くことにした。
遮られるのもイヤだし、
美那の言いたい事をまず聞こうと思ったから。

「アタシ、一度も姉ちゃんのこと嫌いになったことなんてないよ。嫌いって言うより、大好きだし。だけどね、悔しいの。わかってもらえないよね。こんな気持ち。」


「ううん。アタシだって、寂しかった。姉ちゃんと美那はいつも一緒にいるのに、アタシだけ、仲間はずれにされてるみたいで。今回の件だって、たぶん、姉ちゃんは美那の見方だったと思うし。だから、アタシは二人と違う道に進んじゃったんだよ。」


今のは本音。
ママやパパに連れて行かれるのがなんでアタシだけなんだろうって、
ずっと思ってきた。
アタシだって、姉ちゃんや美那と遊びたいし、
おしゃべりもしたいし。

アタシが好んで連れて行ってもらってたわけじゃないことだけは、
感じて欲しかった。