「お前さぁ、学級委員やるべ~!」
「はぁ?」
幼なじみの良平が、いつもの調子の高い声で話しかける。
アタシは中学生になった。
6年間のうち5年間、同じクラスだったにも関わらず。
引き続き、良平と同じクラスになってしまった。
「なんでアタシがそんなもんっ」
「い~じゃん。オレも立候補すっからさ。学級委員やって、手っ取り早く顔と名前、覚えてもらえって」
ポンポンとアタシの肩を叩く。
「別に覚えてもらわなくてもいいよ」
「いや、今覚えてもらわなきゃ、お前のような薄い顔は、卒業までに覚えてもらえん!!」
……。
「はぁ!?」
「なっ、決まり~!」
あっかんべーして、アタシの返事も聞かず、
「学級委員、オレと田村がやります!」
って、宣言しやがった…。