「ふーん。」 「でも、アタシは、それでもずっと、成のことが好きだと思う。」 「……?そうなんだ?」 ナルの目が、一瞬丸くなったけど、いつものフンワリ笑顔になった。 「うん。そんな気がする。」 10年前、そんな話をした。 酔っ払った体を、冷ましに外に出た、お酒臭い、成との最後のキス。 忘れられない、最後のキス。