「ナル…」


背伸びと首を伸ばしたままの姿勢が少しツラくなって。


唇を離して、俯く。


「ん?」


自分のつま先に、目を落としたまま、もっとヒールの高い靴にすれば良かったと、少し後悔…。


「ナルと、アタシは…」


ナルとっては、急にだけど、でも、ずっと前から自分では気づいてた気持ち。


冷たい空気をゆっくり吸い込んで、言葉にする。



「この先も…付き合ったりすることはないと思う。」




「へぇ?」




急にワケわかんないこと喋り出したアタシを見て、無邪気に笑う。


「お互い、別々の人と結婚して、お互い、幸せになるんだと思う。」