「ねぇ、美里。このメアド誰のか知らない?」

「んー?…誰?わかんないや。ってか、男だよね…?」

「だと思う。授業中に飛んできたから。」

「えっ?飛んできた?…ぷぷ」

「なんで笑ったの?」

「だって飛んできたって…。ま、とりあえずメールしてみたら?」

「えー、誰か分からないのに…。」

「ま、真奈のしたい様にすればいいじゃん。」

「うん…」

そして、とりあえずこの紙はポケットに入れた。

それからファミレスでご飯を食べて家に帰った。


「ただいまー」

「おかえり。」

えっ?

まさか、お父さん帰ってきてる?

リビングのドアを開くと滅多にいないお父さんがいた。

でも、スーツだから仕事の途中なんだろう。

珍しいな…。

お父さんが早く帰ってくるのには、あまりイイ気がしない。

「早いね。」

「あぁ、でもまたすぐに行かなくちゃいけない。」

「そっか。」

「あのさ…。オレが再婚したらどうする?」

「…。」

「ま、嫌だよな…」

「…。」

「向こうにも子供がいる。ま、子供という年ではないか。お前と同い年の男の子がいるそうだ。音信不通らしいが。それと兄がいる。」

「ふーん。」

「考えてくれないか?」

「分かった。」

「じゃ、仕事に戻るなっ!」