「やっぱ、好きな人には幸せになってほしい。」

「そういうモノなの?」

「うん、そーだよ!」

「そっか。あっ、名前なんて言うの?」

「えっ?」

「名前だよ、名前!」

「あのさぁ、ずっと今の今まで同じクラスだったのに覚えてない?」

「うん。全然、分からない。」

「うっそー。マジ?じゃ、自己紹介から。
為則美里です。さっき振られました。でも、もう吹っ切れました。
あと、私と友達になってください!」

「えっ?」

「だーかーらー、友達になってください。」

「…はい。喜んで?」

「何でそこ疑問形なの?」

「わかんない。」

「やっぱ、そっちも変じゃん。」

「そう?」

「うん。」

そう、これが今では親友と言える美里だ。

それから、私は美里と共に行動していた。

一緒に居る内に気づいたことがある。

美里はモテる。

つい最近も告白されていた。

でも、断ったらしい。

理由は…

「あのさぁ、真奈の言葉が響いたんだよね。
ほらっ、あの『好きな人とは付き合わない』てやつ。
私も、そうしてみようと思ってさ。」

「そっか。」