「いってきまーす。」
玄関を出ると、愛犬の「チビ」が尻尾を振っていた。
「チビいってくるね?」
そう声をかけてから、いつもの道をあるく。
川の近くにある私の家はデカイ方だと思う。
お嬢様まではいかないけど、それなりに有名な会社の社長が
私のお父さんだ。
そして、私のお母さんは家を出ていった。
確かお父さんの浮気だった・・・と思う。
だから、私は小さい時から孤独だった。
家に帰っても1人で、お父さんは仕事で夜遅くに帰ってくる。
家に帰っても親子のような会話なんて、全くしなくて
挨拶を交わす程度。
そして朝早くに仕事に出かける。
日曜日は、出かけずお父さんは仕事も休みなのにまた出かける。
きっと、女の所にでも行ったのだろう。
ま、どうでもいいけど。
でも、私の誕生日には必ずと言っていいほどプレゼントを買ってくる。
だから、小さい頃の私は年に1度の誕生日をすごく楽しみにしていたと思う。
今は無関係な話だけど。
今の私にとっての家族は「チビ」と言ってもいいとおもう。
小学生の時の授業参観も、自分一人だけ親が来なくて
男の子に泣かされた事があった。