ん?
…ということは、高校生に逆戻り!?
あ、でも明日から冬休みだって雪君が…。
ならまぁいっかー。
高校生って言っても今何年生なんだろ?
1年生?2年生?
雪君は2年生の時に死んだはずだから、3年生っていうのはありえない。

「雪君…」

そう聞きかけて私はやめた。

聞いたら変じゃん。
私はタイムスリップしてるとはいえ、雪君にとっては昨日までは高校生だった私…つまり、過去の私といたのだから。

「何?」

まずい!

「え、えっと…1限目ってなんだったっけ?」

無難な質問に切り替えて誤魔化した。

「1限目は…あれ?俺も忘れたわ。ちょっと待てよ…」

雪君はそう言うとノートを取り出した。

「あ、1限目は数学だ…げっ!!しかも、今日小テストだってハゲが言ってたような…最悪」

ハゲというのは数学教師で私達の担任でもある。
あだ名の通り、髪が残念なくらいハゲているからそうみんなに呼ばれているのだ。

「あはは…本当最悪だね〜」

ヤバいなぁ…。
テストなんて知らなかったし、勉強なんてしてるはずもなく…。
だいたいにして数学だなんて学生の時以来だし。

「赤点決定だぁ…」

つい、本音が出てしまった。

「まぁ、真白なら大丈夫だろ!」

「フフッ、そうだね」

変わらないな。
私が落ち込んでたりすると優しく励ましてくれるところ…。

「うわっ!」

雪君が持っていたノートがアスファルトの上に落ちた。
それと同時に雪君がアスファルトの上に倒れた。
近くにあった小石につまづいたみたい。

「だ、大丈夫!? って、きゃあ!!」

雪君のところに行こうとしたせいで私まで小石につまづいてしまって、結局雪君と一緒に転んでしまった。