佐助の後をついていくと、ある部屋に着いた。
あれ…?
ここって、真田幸村様のお部屋じゃ…。
そう。
私たちが着いたのは、主・真田幸村様の部屋。
「失礼します。月影党の頭領、梓を連れてきました。」
佐助は部屋の前で片膝をつき、臣下の礼をとった。
「わかった。二人とも入れ。」
中から、爽やかな少年の声が聞こえた。
もちろん、幸村様の声である。
私たちは幸村様の部屋に入った。
「月影梓です。」
入ってすぐに名を名乗る。
「君が梓か。…そなたの父に似ているな。」
幸村様はにっこりと微笑んだ。
目は透き通っており、誰に似たのか美男子。
少し長い髪を後で軽く結んでいる。
初めて間近で見たけど……。
すごくきれいなな人!
「で、佐助から聞いたとは思うが、月影党に忍務を頼みたい。」
「はいっ!……内容は?」
「佐助の率いる忍隊と共に妖退治をしてもらいたい。」
「妖退治………。」
妖が最近出没するって話本当だったんだ……。
かなり危険を伴うって聞いたことがある。
少し悩んだ表情を見た佐助が意地悪そーな顔で言った。
「ま、怖いなら別にいいんだよ~?」
……カチンッ
本当、あいつはムカつくな(怒)
「怖いわけないでしょ!もちろんやらせて頂きます!」
「さすがは月影党。よろしく頼んだぞ。」
幸村様はニコッと微笑んだ。