それから、と覚えてる事をすべて稚里に話した。 「微かにだけど…紋章が見えたの…たぶん、ユリの花だったから…百合高かも……」 「ん。もういいよ。着くまで寝てな」 「待って…まだ…」 「ダメ。次喋ったらマジ捨てるから」 「………」 半分脅しに近い言葉に、あたしは黙って従った。 …途切れそうな意識で、あたしの腕に何かが落ちて、稚里が何かを言っていた。 よく、聞き取れなかったけどね…。