「アンタって、本当にバカだよね」



あたしの目の前にしゃがんで、背中を見せる稚里。



「乗れ」

「…え?」

「いいからさっさと乗れって」



怒ってる…よね…。



「…ごめんなさい」

「アンタは悪くない。…誰にヤられた?」

「……高校生、くらいの男」



そう呟くと、稚里の手に微かに力が籠った。

……稚里?



「…どんな制服か、分かる?」

「え、と…確か、紺色だった……。」