口をぱくぱくとさせて顔を赤らめる。その顔がそそるってわかってねぇよな…。
「そんな顔してると、もっかいやんぞ」
『!?』
噛み付こうと口を開けると、自分の手で口元を隠す稚里。
「……」
チッ…。まあ、いい。
無言で稚里の腕を引き、部屋の中に入った。
「前髪、自分で切ったのか?」
『え?あ、琴音に切ってもらったの』
ベッドに座った稚里は顔を動かすたびに揺れる前髪が気になるのか、いじりだす。
『こんなに短くする予定はなかったんだけどな〜』
「…まあ、いいんじゃねぇ?それも慣れだ」
『慣れかー。…うん、早く慣れよ』