気に食わなそうに舌打ちをこぼすと、琴音の腕を引っ張り外に出て行く爽汰。
そんな琴音を見送ったあと、静かに隼人に睨まれた。
「琴音が連れてかれたんだけど」
「取り返して来れば?」
隼人を挑発するように言えば、鼻で笑って「言われなくても」と言って余裕な顔で出てった。
…あいつ、ムカつくな。
『あの、暁斗?』
「ん?」
目を丸くさせて見上げてくる稚里。前髪を切って、前よりも顔が見えるようになったから表情がわかりやすい。
…だから、余計にそそる。
「あー、ストップ」
『へ…』
なにかを言おうとした稚里にストップをかけ触れるだけのキスをした。
『!?あ、暁斗…っ?』