「……」



軽く俺の服の袖を握ってくる稚里。


あー…そんな顔すんなよな…。



「部屋、行くぞ」


『へっ?』



稚里の腕を持って立ち上がらせ、文句を言っていた爽汰たちに顔を向ける。



「暁斗?」


「お前ら、うるせぇから下行ってこい」


「えー!」


「え、なに、俺らもうるさいこになっての?」


「透が一番うるせぇから、行くぞ」



悠人は透の首根っこをつかむと、ズルズルと引っ張って部屋を出て行った。



「もー…暁斗、独り占めずるい」


「ずるくねぇよ。こいつは俺のだ」


「……ちっ」