―――倉庫について、琴音は稚里ちゃんの腕を引っ掴むと一目散に倉庫の中へ走っていった。
何がそんなに楽しみなんだか…。
俺は短いため息をつき、ふたりに遅れて倉庫のなかに入った。
「隼人さん!おかえりなさい!」
「なんか琴音ちゃんがめちゃくちゃ嬉しそうでしたけど、何かあったんですか?」
目を丸くしてそう聞いてくるそいつに、俺は曖昧に笑って「さあ?」と呟いた。
「まあ、稚里ちゃん関連だろうから何かあるんじゃないか」
だって、稚里ちゃんのことで一喜一憂する琴音だから彼女になにかがない限りあんな嬉しそうな顔はしないだろう。
「あ、隼人早くっ」
琴音に腕を引かれて部屋になかへ連れ込まれる。
何だ…?
周りにいるみんなも不思議そうな顔をしてふたりを眺めている。
「ことちゃん、どうしたの?」