『―――琴音~、大丈夫ー?』
ジェットコースターが止まったと同時に地面に倒れ込むように手をついた琴音。
そんなに怖かったかな?
「こと、大丈夫か?」
「……かい、」
『何?』
すると琴音は勢いよく顔を上げて「もう一回っ!」と目を輝かせて言ってきた。
「『……は?』」
あまりに態度と言葉が違ったから驚いた。
『…怖がってたわけじゃないの?』
「ううん!むしろ楽しかった!!」
『あっそう…』
どういう訳か、ジェットコースターに味をしめた琴音は「もう一回乗ろう!」と叫ぶ。
『……どうする?』
隣にいる暁斗に目をやれば「どっちでも」という顔をしていたから、思わず溜め息が出た。
…まったく、変なところで怖がり発揮しないんだから。
「もう一回だけっ!」
『…隼人』
「わかったわかった。乗ろっか」
苦笑いを浮かべて琴音の頭を撫でる隼人。
何だかんだで隼人も、琴音には弱い。
『まさかジェットコースター2回乗る事になるとはね…』
「嫌ならやめるか?」
ニヤついた顔で言われて、少しムカついたから鼻で笑ってやった。
『別に嫌じゃないし』
「行くぞ?」
グイッと手を引っ張られ転けそうになりながらも暁斗を睨んだ。
けれど、笑顔で回避されまた溜め息をついた。
ジェットコースターに再び乗るためにまた行列に並ぶ。