ジェットコースターに乗るために行列に並んで、やっと乗れたってところで琴音が急に怖くなってきた、と言った時は慌てた。


…だって、乗りたいって言ったのは琴音だし、今更乗らないなんて出来ないし、まぁ隣には隼人がいるからいっか。…って事で。




「うわぁ〜高いよ〜っ」

「落ちないから。すぐ終わるって。な?」

『琴音、ちゃんと前見てなよ。落ちるからね』

「お前は鬼畜だな」




泣いても喚いても無理矢理乗せ、あたしはさっきから琴音の後ろでニヤニヤと笑って恐怖心を煽らせる。


それに呆れているのは言うまでもない、暁斗。隣にいる隼人なんかはもう苦笑いだ。




「出発します。お気を付けてー」




ガタンッ、と動き出したジェットコースター。前から小さな悲鳴が聞こえた。




『おー、動いた動いた!』

「動いた…!」




さっきとは打って変わってあたしが楽しんで、琴音が沈んでるように見える。


自分から乗りたいって言ったのに。




『うっわぁ…高い!』

「帰りたい…」




まだ頂上にも来てないのに?どんだけビビってんの琴音。


もうすぐ頂上。


―――そして、一気に降下した。