『すごいね…琴音…』

「稚里…」

『あたたかい、ように感じたのかな…。あたしにも分からない』

「…あたしにも、感じたよ。“あたたかい”って」

『琴音……』



隣を見ると琴音がにっこりと笑っていた。



「あたし、男嫌いだけど…あの人達は、大丈夫かなって…少しだけ、思えた」

『……少しでもいい進歩だよ』



でも絶対触れさせないけどね。

琴音に好きな人が出来るまでは。



『買い物して帰ろーね〜琴音ちゃん』

「はぁい、ちぃちゃん♪」

『シバくぞ』



ただ、あたしに“あたたかい”というのはまだ分からない―――